矯正治療の第一の目的は8020(80才で20本以上歯を残す)の土台作りです。
つまり「歯を長持ちさせる」「生涯自分の歯だけで生活してもらう」ということです。
歯が長持ちしないで入れ歯になる患者さんの顔、顎、噛み合せのパターンは、統計的にわかっています。
そうならないように、根本的にアタックできるのが矯正治療です。
8020を達成している方の特徴は2つです。
1. 叢生が少なく正常咬合
2. 反対咬合の方や開咬の方はいない
上記2つのポイントを言い換えると、つまり「矯正治療をしたようなお口の中をしている方」ということです。
矯正治療の目的と根拠はここにあるわけです。
小児期の矯正治療は、人の顔、顎、噛み合せを良い方に誘導できる唯一の医療です。
しかし有効な治療ができる年齢が限られているのでやり直しはききません。
6才からの時期を逃さないでしっかり治療しておけば、非抜歯で仕上げの成人矯正ができたかもしれない、外科矯正しないで仕上げの成人矯正ができたかもしれない、というケースによく出会います。
小児期の矯正では、大人になった時の顔や噛み合わせを分析予測して、ゴールから逆算して今やっておくべき事を順序立てて解決していくものです。
分析予測はセファロ分析などの統計から出される歯科医学的根拠のあるもので行います。
子供の矯正こそ、しっかりした理念と技術をもつ専門医でなければならないと強く感じます。
私が思うに、医療において「簡単な症例」というのは存在しません。
つまり「子供の簡単な矯正」というのも、ありえないと思います。
小児の頃から通い始めた場合、医院とは約10年のお付き合いになりますが、装置を使う動的な治療期間は約1〜2年で、その間の来院ペースは1ヶ月に1回です。
その後の経過観察期間中は、1年に1回〜2回です。
さほど頻繁というわけではないので、利便性だけで安易に選ばずに、「本当に信頼のおける医院」を選びましょう。
大切なお子様だからこそ、信頼できる最善の医療を受けさせてあげて下さい。
白石矯正歯科院長 白石 圭